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開かれた「パンドラの箱」と |
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「8月6日は何の日?」と聞かれ、答えられない学生がテレビに出ていて、ビックリ。かくいう私も初心者で、本書は初めて聞く内容ばかり。 例えば、中国の核実験で直接日本の空が放射性粉塵で汚染されたこと、水爆の製造を「人類の滅亡につながる兵器」と強く反対した科学者たちの声。全国の原発周辺に植えられたムラサキツユクサという青い花をめぐる運動の話、カタカナ表記する「ヒバクシャ」の意味──などなど。500ページもの大著だが、こんなことがあったのかと驚きながら一気に読んでしまった。 8章立ての本書は、80年に及ぶ原子力開発と非核運動をまとめた労作だ。全体を貫く視点は「核開発と、それと闘ってきた人たちの歴史とは、草の根運動の歴史」との認識である。 ことしは核の時計が2分速まり7分前となった。米政府の一国主義的動向、インド・パキスタンの軍事緊張、日本では有事法制三法案の国会提出と、大きく揺らいだ非核三原則。逆行するこうした政治状況の中で、われわれは何を見いだし得るのだろうか。 著者は言う。核廃絶・脱原発運動が、反差別・人権・民主主義の運動と連携し、「日本を含めた世界の草の根運動の再結集」を図ることで、必ず核廃絶が実現できる、と。読者を勇気づけてくれる。 歴史を10年単位でテンポ良く記述しているが、通史を記した書物一般につきまとう“物足りなさ”は本書でも否めない。大幅削除となった個所の出版が待たれるところ。 (土屋健吾) |
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『社会新報』2002年8月28日 より |
約1世紀にわたる核時代をひもとき、原発を含む核の歴史と反核・脱原発運動のせめぎ合いを記録した「開かれた『パンドラの箱』と核廃絶へのたたかい――原子力開発と日本の非核運動』(七つ森書館発行、2800円)を、原水禁国民会議が出版した。 放射能の発見からヒロシマ・ナガサキへの原爆投下、米ソの核開発競争とキューバ危機、スリーマイル島とチェルノブイリ原発事故、核軍縮交渉と冷戦終結……と続く核時代の流れを、詳細な年表にしたのが特徴だ。そこに、草の根の原水爆禁止運動やミクロネシアなどの反核運動を重ね合わせ、核に覆われた世界の姿と、脱核を目指す人々の営みを浮かび上がらせている。 中ソの核実験再開をめぐって分裂した日本の原水爆禁止運動の歴史にも触れている。 本をまとめた同会議専門委員の和田長久さんは、原爆被害者も、核実験と原発事故の被害者も「ヒバクシャ」の表記に統一、同じ「核被害者」の視点で核時代を見つめるべきだと主張している。 |
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『朝日新聞』 大阪版 夕刊 2002年8月9日 より |
| 原水禁運動の課題と成果を21世紀に引き継ぐために、原水禁国民会議が編纂を進めてきた待望の書。1898年の放射能の発見、1945年の原子爆弾投下から2002年米国ミサイル防衛(MD)までの反核運動の長い歴史を網羅しており、「核と人類は共存しえない」という原水禁運動の基本をわかりやすく解説。巻末の年表は130ページに及ぶ。 | ||
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『原水禁ニュース』 No.429 2002.10月 より |