漠さんの原発なんかいらない


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 この本は、ハンディーなブックレット。とはいえ内容は濃い。臨界事故、原子力発電のしくみ、放射線と放射能、労働者被爆、核燃料サイクル、放射性廃棄物、廃炉、高速増殖炉とプルサーマル、原子力産業の実情、脱原発へ・・・。これだけのことが、誰にでもわかるように、かみくだいた形で述べられている。
 世界中に衝撃を与えた東海村のJCOの臨海事故後の緊急出版。「原子力はむずかしいから、ちょっと」と敬遠されるむきにもおすすめ。原子力発電は、いま国の面子をかけてごり押しで進められているが、このブックレットで西尾さんも指摘しているように、タテマエとホンネの乖離はますます激しくなっている。
 これから10年の間に20基の原発を建てる、これがタテマエであるが、ホンネのところでは彼ら自身、それができるとは思っていない。つい最近(二月中旬)、三重県知事は、三重県芦浜原発の立地問題を白紙にもどすと表明。それをまっていたかのように、翌日には中部電力も立地断念を伝えた。中部電力もホンネのところでは原発はつくりたくないのだということが、このブックレットには、リアルに描かれている。                      2000年3月号   『技術と人間』