希望の未来へ
−市民科学者・高木仁三郎の生き方-

 

七つ森書館編集部編
定価2500円+税
四六判 並製 344ページ
2004年刊
ISBN 
4-8228-0488-7


脱原発と脱プルトニウムの運動をすすめ、その功績によってライトライブリフッド賞(もう一つのノーベル賞)を受賞した高木仁三郎。彼の思想と生き方を各界の著名人がさまざまな角度から論じます。『高木仁三郎著作集』の解説と、解題の総集編です。10月8日の没後4周年を前に出版し、再評価の論脈をつくりだす試みです。

悲しみのためではなく、希望の灯をもやしつづけ、いつか答を手にできる日のために、高木さんのすべての著作はあり、とくに未来世代のためのものであることをもう一度書いて、「高木さん、これでいいですか?」とそっと話しかけることにします。この仕事も、わたしにとっては未来へ向けての出発の一部ですよ、と。  (澤地久枝)


1 脱原発と核燃料サイクル施設批判
1 高木さんを押し出した「時代の力」―― 久米三四郎(核化学者)
2 反原発から脱原発へ―― 市川定夫(放射線遺伝学者)
3 新しい文明を展望する ―― 武本和幸(柏崎原発反対同盟)
4 詐術としての原子力行政 ―― 鎌田 慧(ルポライター)

2 プルートーンの火
5 プルトニウムという元素 ―― 古川路明(放射化学者)
6 時代の先を読む、将来へのメッセージ ―― 小木曽美和子(原子力発電に反対する福井県民会議)

3 市民科学者として生きる
7 高木仁三郎さんとあの時代 ―― 山口幸夫(原子力資料情報室共同代表)
8 希望を捨てないこと、希望を組織すること ―― 花崎皋平(哲学者)
9 “希望”を祈りとして ―― 松崎早苗(環境化学)
10 高木仁三郎と宮澤賢治 二人の科学者 ―― 斎藤文一(物理学者)

4 小説と子どもたちの未来
11 高木仁三郎の憤怒の源 ―― 佐高 信(評論家)
12 高木家について 父四郎を中心に ―― 高木隆郎
13 未来の希望にむかって ―― 澤地久枝(作家)

―高木仁三郎著作ガイド 著作集各巻解題集成 ―

西尾 漠(原子力資料情報室共同代表)
高木仁三郎著作集収録著作一覧


『希望の未来へ』

   反原発に専心し、4年前に亡くなった「市民科学者」高木仁三郎。高木と向き合った鎌田慧、佐高信、澤地久恵ら気骨ある人々が、「核の時代」についてこもごもつづる、いわば紙上シンポジウム。高木の著述はこのほど全12巻の著作集にまとまったが、本書は、周囲にいた人たちによる著作集への、読み応えのある「脚注」と言ってよい。
 それにしても原子力の今日の混迷を、高木が実に早くから見通していたことに驚かされる。

「朝日新聞」2004年10月25日