|
世界は変えられる II
TUP(平和をめざす翻訳家たち)監修 |
![]() |
|
逆送はどちら? 第1章●イラクをどうする? 第2章●アメリカをどうする? 第3章●世界をどうする? 第4章●答えをさがそう! あとがき 藤澤みどり/TUP |
|
日本のみなさんへ 「日本政策研究所」代表 チャルマーズ・ジョンソン アメリカでは、学校や病院が点在する住宅地の真上を軍用機が飛ばざるをえないような場所に軍事基地を作ることは違法です。沖縄に駐留するアメリカ海兵隊の普天間航空基地は、ニューヨーク市中心部のセントラルパークよりも敷地が広大で、しかも8万8318人の住民が暮らす宜野湾市の市街地の真ん中に位置しています。沖縄の人びとの生活に対する米軍の傲慢さと無関心が、2004年8月13日、普天間基地を飛び立った軍用ヘリコプターが沖縄国際大学の建物に激突するという事件を引き起こしました。普天間航空基地はこの数十年間、住宅や教育施設や医療機関のすぐ隣に存在してきたのです。 事故発生直後から、アメリカ軍は墜落現場の周辺区域を封鎖し、日本の警察による現場検証を阻みました。米軍側の根拠は、軍事機密保護のために日本側の捜査を拒否できるとする「軍隊の地位に関する日米協定」(SOFA=いわゆる日米地位協定)でした。墜落したヘリが30年も前に製造された古い型であったこと、ヨーロッパ各国とのSOFAでは米軍にこのような権限を認めていないことの2点だけをとっても、日本が日米安全保障体制のもとで不平等な地位にあまんじている実態がはっきりわかります。墜落事故の処理でアメリカが見せた帝国の身ぶりは、他国の領土に700カ所以上も展開させる米軍基地の軍事監督者として、もう習い性になったものです。 日本のみなさんが、海外の眼に自分たちがどう映るかを理解し、政府に取り仕切られた記者クラブ制度のフィルターを通さずに、世界の動きを伝える記事や報告を読むことは大切です。たとえば現在、小泉純一郎首相と外務省は、日本が国連安全保障理事会の常任理事国に選出されるという目標を掲げ、大々的なキャンペーンを準備していますが、世界の国ぐには日本が常任理事国に選ばれることなど望んでいません。日本を警戒するからではなく、安保理でアメリカに余分な1票を与えるのを避けたいからです。日本国憲法に違反するイラク派兵をはじめ、ワシントンからの指令には何もかも賛成という日本の屈辱的な対米従属ぶりは、世界から見抜かれています。 だからこそ、「平和をめざす翻訳者たち」(TUP)の活動がとても重要なのです。TUPは、日本のマスメディアがあまり伝えない海外情報を日本語で紹介することにより、世界を見る視野を広げています。インターネットで配信される速報を厳選したTUPのアンソロジー第1集『世界は変えられる』は、日本ジャーナリスト会議(JCJ)の2004年度「市民メディア賞」を受賞しました。第1集を発行した七つ森書館から、ふたたびTUP速報を選りすぐったアンソロジーの第2集が出版されます。この選集の最大の目的は、私たちの生活全般におよぶ帝国主義と軍国主義のさまざまな危険性について、日本のみなさんにもっと深く知っていただくことでしょう。私たちが平和のうちに生きられるかどうかは、ひとえに情報に通じた市民たちの民主的な行動にかかっています。私は、このような大切な働きを担うTUPを応援します。 2004年8月27日
|