パロディ絵本
リトルボーイとファットマン

マッド・アマノ 著
定価 2200円+税
B5判変形 上製 68頁
ISBN 4-8228-0503-4 C0036



まえがき

 広島・長崎にアメリカ軍が原子爆弾(原爆)を投下して、今年で60年になります。30万人という多くの市民が犠牲になり、生き残った人びとは原爆症に悩まされ、幸い発病しない人でさえもいつ発病するかわからない不安な毎日を過ごしています。
 当時のアメリカ大統領ハリー・S・トルーマンは原爆投下の目的について「戦争を早く終わらせ、アメリカ兵の犠牲者を出さないことだった」と終戦直後に述べています。これが「原爆神話」として広く信じられてきました。しかし、これはあくまでも建前であって本音はべつだった、つまり原爆神話にはカラクリがあったのです。実は、原爆投下の真の目的はふたつある、といわれています。ひとつは「ソ連を威嚇する」、ふたつ目は「人体実験」です。戦闘員ではなく市民(非戦闘員)を殺戮することは国際法に違反しています。しかも、その目的が「人体実験」だったとすれば、人道的にみても許しがたい行為なのです。
 日本が太平洋戦争にアジア諸国を巻き込み、その結果、大きな被害をもたらした、ということを私たち日本人は忘れてはなりません。しかし、一方でトルーマンの原爆投下の戦争責任を問う声がアメリカ政府によって抹殺されたことも知るべきではないでしょうか。太平洋戦争のアメリカ軍極東総司令官、ダグラス・マッカーサー元帥でさえ「侵略戦争ではなく自衛のためだった」と戦後、1951年5月3日、上院軍事外交委員会の演説のなかで語っています。
 「真珠湾を攻撃した日本が悪い。原爆を落とされても仕方ない」という考え方がまかり通っていますが、はたしてこれは正しいのでしょうか? そもそもアメリカは日本をはじめアジアを武力によって侵略する「オレンジ計画」を練っていたのです。日本を経済的に困らせて戦争を起こさざるをえないように仕向けたのがフランクリン・D・ルーズベルト大統領時代のアメリカだったのです。
 悪者は誰?
 本当の「悪魔」は誰?
 いまこそ、私たちは冷静に判断しなくてはなりません。
 ジョージ・W・ブッシュ大統領は地下核実験再開や新型小型核兵器の早期開発の必要性を言明するなど、核軍縮の流れに逆行する行動をとりはじめました。核弾頭ミサイルをどこかの国に向けてぶち込むことがいよいよ現実の話になってきた、といってもけっしていいすぎではありません。放射能により地球環境まで破壊する残酷な核兵器の使用はもちろん、それを所有することも禁止すべきなのです。
 この本は将来のある若者、とくに中学生、高校生のみなさんに見て、読んでほしい、と心から願ってつくりました。原爆投下による最初の被爆国である私たち日本人が積極的に声をあげなければ誰があげることでしょう。
 いまこそ世界に向けて「広島・長崎を忘れないで!」
 そして「悪魔は誰?」と叫ぼうではありませんか。

2005年8月の原爆投下60周年をまえにして

パロディスト マッド・アマノ