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まんが狭山事件
まんが 勝又 進 殺人事件でウソの自白を強いられて有罪となり、43年間無実を叫び続けている石川一雄さんと支援者の壮絶な闘いをまんがで読む。「この事件には多くの疑問が残されている。それを黙殺せず、キチンと検討する精神こそ、人間のための裁判所のもののはずである」(鎌田慧) |
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はじめに 1章●事件のはじまり 1 事件発生 2 不当逮捕 3 死刑判決 4 無実の叫び 5 暴かれる真相 6 石川さんのたたかい 7 つくられた自白 8 ひろがる闘い 9 新たな裁判長 2章●造花の判決 1 生いたち 2 差別との闘い 3 一人は万人のために 万人は一人のために 4 造花の判決 5 寺尾判決の不当性を暴く 6 誤判 7 証拠開示 8 上告棄却 3章●再審を求めて 1 18年目の新証言 2 最高裁にせまる 3 えん罪の恐怖 4 父の死 5 元刑事の証言 6 5つの筆跡鑑定 7 悲しみをのりこえて 8 25年ぶりの赤飯 9 獄中一万日 10 模擬陪審 11 万年筆はなかった 12 求意見 4章●見えない手錠 1 仮出獄 2 われは浦島 3 各地を訴える 4 自白の真相 5 生い立ちを語る 6 見えない手錠を解く日まで 解説●43年無実を叫びつづける人 ──石川さんと狭山裁判のいま 狭山事件年表 おわりに 石川さん支援の声を一人でも多くの人に |
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はじめに 「狭山事件」は、一九六三年五月、狭山市(埼玉県)で起こった女子高校生強姦・殺人事件である。四三年たっても、いまだ解決していない不可解な事件である。 この事件がよく知られているのは、四三年たったいまなお、犯人にされた石川一雄さんが無実を訴えつづけているからである。彼に罪を被せてしまったから、真犯人は逃げ切ってしまい未解決となった。 石川さんは第一審で死刑にされたが、結局、無期懲役にされ、三二年間も獄中生活を余儀なくされた。仮出獄にされたあとも、彼の無実を証明するための裁判は、はじめられていない。これは不正義である。このマンガを読んだひとたちは、この「世にも不思議な物語」に義憤を感じることになると思う。 この四三年間に、石川さんの無実を証明する本はなん冊かだされた。それを読んだ多くの市民や作家や評論家、ジャーナリスト、それに写真家や俳優や音楽家や学者が現地を訪ね、石川さんの自供(警察がつくったストーリー)の通りに歩いて疑問を感じ、資料を検討して石川さんの無実を信じ、再審をはじめるよう要請する署名をし、裁判所に提出している。 それでも、裁判所は依然として、冷たく門扉を閉ざしたままだ。裁判所といっても、人間のこころをもった裁判官がいるのだから、読者の熱意をうけて、かならず真実をあきらかにするようになる、とわたしは信じている。 原作者の安田聡さんは、学生時代から、三○年以上もこの問題に取り組んできた熱意のひとであり、理科系出身のベテランマンガ家である勝又進さんとのコンビによるこの作品は、ふたりの情熱と知性とがよく交じりあってわかりやすく、かつこころを引きたてるものとなっている。 はじめて、この問題を知ることになった若いひとたちに、わたしは、日本の裁判所がもう一度、石川一雄さんの訴えに耳を傾け、正義と真実にたいして謙虚な姿勢をしめすようになる、そのための力を貸してほしい、と願っている。 「疑わしきは、被告人の利益に」 この事件には、多くの疑問が残されている。それを黙殺せず、キチンと検討する精神こそ、人間のための裁判所のもののはずである。 二〇〇六年八月九日 狭山事件の再審を求める市民の会事務局長 鎌田 慧(ルポライター) |