会社事件史

著者 奥村 宏・佐高 信
定価 1500円+税
四六判 並製 256ページ
ISBN978-4-8228-0744-3


村上ファンド、ライブドア、山一證券、日興コーディアル、三菱自動車工業……。どうして会社は事件を起こすのか!? 戦後62年の会社事件を総ざらえし、個別の事例やエピソードを探ることで、混迷する現実の渦中からこれからの会社のあり方を読み解く。

まえがき   佐高 信

I バブル崩壊以後の事件史

 1 バブル崩壊の意味するもの
   なぜバブルは発生したのか
   リクルート事件
   三菱重工の転換社債事件
   総会屋事件と山一證券の崩壊
   ホリエモンと村上ファンド
   ニッポン放送と阪神電鉄株の買占め事件
   解体現象に付け入る外資
   ダイエーの没落

 2 銀行の問題
   公的資金とは誰のカネか
   株式会社の社会的責任
   三井住友銀行の誕生
   りそな銀行の不良債権
   日興コーディアル株を上場廃止できるか?
   北海道拓殖銀行の破綻
   銀行合併はうまくいかない
   持株会社は危険
   小糸製作所株の買い占め

 3 会社の乗っ取りと合併
   TOBと乗っ取り
   いすゞとGMの提携
   GM・フォードそしてトヨタ──自動車産業の盛衰
   メインバンクシステムが崩れている
   ハゲタカ・ファンドによる大企業解体
   トヨタの二十年後は、今のGMを見よ

 4 公害・薬害・食害・事故隠し
   欠陥車問題
   水俣病のチッソは刑事罰を受けていない
   「公害」は「会社害」
   構造改革は「政財界の鉄の三角形」を崩した
   相次ぐ電力会社の事故かくし

 5 会社を監視する
   堕落したジャーナリズム──日本経済新聞
   アメリカのジャーナリズム
   広報部というマスコミ対策
   独立した記者の役割
   「要注意人物」
   擬制的同族支配──松下とトヨタ
   御用学者の群れ
   岐路に立つジャーナリズム

II バブル崩壊以前の事件史

 1 戦後四十年までをさぐる
   西山弥太郎(川鉄社長)の時代
   表と裏の顔を持つ日本企業
   倉紡、鐘紡のお家騒動
   三池争議と生産性向上運動
   高度成長にみる内部化の論理
   昭和三十年代は大企業の時代
   ジャーナリストに問題はないか

 2 財閥解体と再生
   財閥解体のカギは株
   占領政策に迎合した財閥
   財閥の解体で企業が発展
   三菱商事、三井物産の再合同
   「法人資本主義」と企業

 3 公害と企業戦略
   チッソ水俣病
   法人には刑事責任がない?
   「社長も水銀の入った水を飲め」
   会社がつぶれたら困る
   風上に住んでいる工場長

 4 企業と消費者運動
   ホンダ対ユーザーユニオン
   フェアプレーは成り立たない
   松下電器のカラーテレビ二重価格事件
   独禁法と消費者保護
   サントリーにそっぽ

 5 買占め・乗取り
   陽和不動産(現・三菱地所)株の買占め
   白木屋(現・東急百貨店)の乗っ取り
   近鉄による奈良電鉄乗っ取り
   三光汽船vsジャパンライン
   財界は買占めにどう対応したか
   安定株主工作のもつ危険性

 6 倒産
   系列化の手段に使われる
   会社更生法と銀行
   山一證券、安宅産業の救済
   倒産と経営者の責任
   三光汽船の倒産
   何が虚業か、実業か?

 7 疑獄と企業社会
   昭電、造船、炭鉱国管
   八幡製鉄政治献金事件
   ロッキード事件と田中角栄
   政治家が総会屋的になる
   表の論理、裏の論理
   使途不明金の責任の行方

 8 日本的経営と合併
   三菱商事の大合同と岩田商事の倒産
   住友グループの外延的拡大戦略
   三菱重工合併と海運再編成
   新日鉄合併と独占禁止法
   挫折した銀行合併、三菱─第一、住友─関西相互

 9 株価操作
   殖産住宅株で儲けた首相
   公募といえるのか?
   株で儲ける政治家たち
   四大証券による大量推奨販売
   証券と法人の連合が株価を左右
   時価発行は株主の権利侵害か?

 10 日本的経営と労働組合
   労組は出世へのジャンプ・ボード
   高度成長を支えたブルーホワイト
   労働運動の変容と企業社会
   生産性向上運動の展開と労働組合
   企業一家主義を支える労働組合
   日本的経営と日本的労働運動

あとがき   奥村 宏
   会社を見る眼
   氾濫する一方的会社情報
   会社事件史が意味するもの