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反貧困と派遣切り 派遣村がめざすもの
湯浅誠・福島みずほ 著
佐高信氏推薦! |
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はじめに ── 福島みずほ 反貧困から社会運動へ ── 福島みずほ 新自由主義の終わり 小泉構造改革 小泉構造改革の国家犯罪 貧困と戦争 社会保障と厳罰化 どのような社会をめざすか セーフティーネットと雇用 社会が連帯する希望 対論・ 年越し派遣村 ── 湯浅 誠・福島みずほ 年越し派遣村の村長になる 相互扶助的な空間 貧困と派遣切りを可視化した 人間って、捨てたもんじゃない 派遣村は特別なものではない 盛り上がりを着陸させる 派遣村の人びと てんやわんやの派遣村 雇用保険にたどり着けない エム・クルーの経験 強制天引きが巨額に 雇い止めと解雇の四要件 ホームレス 崩れた完全就業神話 自己責任論 すべり台社会と自殺 対論・ これからの「貧困」を考える ── 湯浅 誠・福島みずほ 学生時代のボランティア経験 親の期待 世の中が落ちてきた 「内外の問題」と「上下の問題」がつながる 「貧困」としてとらえる 「困ったときは役所へ行け」 せめて肌着を着せろ 国立大学の入学金と授業料を無料に これからの課題 支え合う「場」を作る 家族と友達 五重の排除 排除型社会 シェルターと総合相談窓口 中収入・中支出型の社会 ── 湯浅 誠 派遣村のその後 地域巡回総合相談窓口 「セーフティーネットお荷物論」 中収入・中支出型の社会 労働組合と経営者 〈もやい〉 「市民」の役割 |
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はじめに 2004年に、全国ユニオンをはじめさまざまな組合、弁護士、市民の人たちと、非正規雇用フォーラムを作った。国会で非正規雇用の問題を質問すると「フリーターはフリーだ」と野次がとんだりした。「多様な働き方」と言われたりした。いや、違う。こんな労働条件の悪さはなんとかしなくっちゃと、多くの人たちと行政交渉をしたり、質問をしたりして取り組んできた。 2006年は、偽装請負の問題。 2007年は、日雇い派遣の問題。 2008年は、派遣切りの問題。 が大きな社会問題となった。 当事者をはじめ問題に取り組む人たちは、実に多様に、実に広がりをもってきた。ドキュメンタリーを作ったり、雑誌や本を出版したり、表現や行動も豊かになってきている。 しかし、現実は、ますますひどくなっている。問答無用に期間の途中でも派遣をたたき切ってしまう派遣切りが横行し、正社員のリストラも進んでいる。 多くの人たちが「モノ」のように簡単に切られ、排除されていっている。人は、働かないと食べていけないのに、働くという根源的なところで「安定」はなく、働くことが奪われていっている。 2008年年末から、2009年1月にかけて、東京・日比谷公園で行われた「派遣村」は、日本のなかにある「貧困」と「派遣切り」の二つを「可視化」させた。存在するけれども見えにくかった問題を、しっかり「可視化」させた功績は実に大きいと思う。逆に言えば、それだけ現実が苛酷なのである。 「派遣村」で私は、派遣村の村長である湯浅さんが、ずーっと提唱をしてきた「すべり台社会」という言葉を改めて何度もかみしめていた。仕事はあったのに、あっという間に仕事をなくし、その結果、寮からも追い出され、路頭に迷ってしまうのだ。あっという間に「すべり台」をかけ落ちてしまうように、職と食と屋根を失ってしまう。なぜこうなるのか。法律や制度の問題は大きい。二十年前のバブル崩壊後、もちろん失業者は出たが、当時とまったく違うのは、セーフティーネットがズタズタに壊されているということもある。 それと同時に、「結」のような「派遣村」で見たのは、「他人事ではない」「支え合い」「助け合い」、連帯、共生ということでもあった。 反貧困から社会連帯へ。 つながっていくことで、少しずつ解決したり、前進したりしている課題も多い。 ひょうひょうとした細身、長身の哲学者(?)のような湯浅さんは、卓抜したリーダーであり、活動家であり、冷静で頼もしい。「オレについて来い」ではなく、いろんな人をまとめ上げていく力がすごい。超多忙に全国を飛び回っているなか、貴重な時間をとっていただいて、この社会を排除型社会ではなくどう作り変えていくのか、湯浅さんととことん話をした。 この本が、社会を変えていく、あるいは、多くの人に知ってもらう一つの契機になれば、とてもうれしい。 2009年3月28日 福島みずほ |