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高木仁三郎さんが逝かれて、3か月が経ちました。この間、多くの方から励ましのメールや、小社を気遣ってくださる電話などをいただきました。胸に沁み入るほど、ありがたいことでした。心から、お礼を申し上げます。
高木さんが手術を受けてからの2年間は、ほんとうにあっという間に過ぎ去りました。短くはありましたが、実に充実した時の流れでした。
記憶に止めておくべきいくつかのことを記して、私たち七つ森書館の決意を述べたいと思います。
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昨年8月、高木さんから電話をいただきました。「ぼくがいなくなったら……」と、一気に二、三のことを言われました。短い電話でした。それから4〜5日して、高木さんのお宅へ伺って、2時間ほどお話しました。互いに言葉数は少なかったものの、七つ森書館のこと、高木学校のこと、原子力資料情報室のことなど多岐にわたって話し合いました。話が著作のことに及ぶと、「あんたとも腐れ縁だから、やるかい」と言われました。緊張がよぎりましたが、著作リストをいただき、著作が置いてある場所を聞いて簡単な打ち合わせをしたあと、お宅を辞しました。
暑い日でしたが、炎天下をいろいろなことを考えながら歩きました。汗ひとつかかずに歩いてきたのに、駅に着くとどっと汗がふきだしてきたのを覚えています。
9月末、もういけなくなったと知らせを受けたので、急いで病室へ行きました。数人の人が来ていましたが、ベッドの側でなんにも話すことができないでいると、高木さんは「仕事のことでなにかあるかな」と言うので、「『証言』の本が来週にはでき上がるよ」と応えました。「それまで生きていられるかな」……「ブックスを作りたいので、高木さんの名前をつけさせてほしいな」と言うのが精一杯でしたが、「もう賛成することも、反対することもできないけど、みんなと相談してやるんだね」と言ってくれました。
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12月10日の「高木仁三郎さんを偲ぶ会」では、司会をさせていただき、司会の挨拶で、次のように発言しました。
「この日比谷公会堂を、高木さんがかかわる運動で、2回ほど満員にしたことがあります。1回目は、チェルノブイリ事故から2年目の“原発止めよう!1万人行動”の時、2回目は成田空港に反対する人々にかけられた冤罪事件であった東峰事件救援の集会でありました。いずれも大成功でした。高木さん縁の日比谷公会堂です。
私は、19歳、大学に入学した時に高木さんに出会いました。夏休み前の7月に、都立大学へ赴任して来られたのです。気が付けば、今日まで30年を超える歳月が流れました。
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実にいろいろなことがありましたが、高木さんと歩みながら学んできたことは、“よりよく生きるということ”“他者と対等であること”そして“希望を持ち続けること”であります。それは、どのような志をもって、どのような社会を展望していくのかということでもありました。
本日の偲ぶ会は、“平和で持続的な未来へ向かって”であります。これは、私たちが引き継ぐ高木さんの志であると思います。私たちは、志において自由であり、志において対等であると考えます。
本日の会にとどまらず、高木さんを語るなかから、大きな大きな一歩を踏み出したいと思います。」
おかげさまで大過なく勤めを果たすことができ、気持ちの踏ん切りをつけることができました。偲ぶ会で高木学校のメンバーが朗読した「友へ――高木仁三郎からの最後のメッセージ」にあるように、泣き顔は高木さんにはふさわしくありません。そう、私たちは、いま、大きな一歩を踏み出す時なのだと思います。
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私たち七つ森書館は、これから次の出版活動に取り組んでいきます。
@『高木仁三郎著作集』
著作は膨大な量に及ぶので現在整理を進めていますが、4月頃に概要をまとめて9月からの刊行をめざします。高木さんが単行本として発行した本は4〜5ページに掲載しました。
A『市民科学ブックス』
高木さんに「高木ブックス」と申し上げたものですが、高木さんが力を注いできた「市民科学」の思想を継承するブックスを出版したいと思います。現代の科学技術の矛盾を衝いて、市民が本当に必要とする科学を考え、未来へ希望をつないでいく叢書にしたいのです。2月から刊行します。主な企画は次の通りです。
・『人間の顔をした科学』高木仁三郎著
・『脱原発講座』反原発運動全国連絡会編
・『エントロピーと地球環境』山口幸夫著
・『原発事故』伴英幸著
B『脱原発シリーズ』
著者は、原発現地で運動に取り組んでいる方々です。反対運動の経過、電力会社・政府とのやりとりなどから「原発を止める」熱意が伝わる本にしたいのです。これまでの運動の蓄積から未来へとつなぐテーマが示せればベストであると考えます。5月頃からの刊行をめざします。
C『高木仁三郎の仕事』
高木さんの運動と思索の軌跡をたどり、思想の地平を論じることによって私たちが考えていくテーマを明らかにしていく論集を刊行したいと思います。主なテーマは次のようになるかと思います。
脱原発/プルトニウム/エネルギー/科学技術/市民科学/宮澤賢治/子どもたちと未来
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高木さん、みなさま、どうぞ、私たちのこれからの出版活動を見守ってください。 (中里)
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